【10本いっぺんに】必要ダクト径を計算する【茶本】

亜鉛鉄板ダクト径計算ツール

令和3年度版 建築設備設計基準 通称茶本に則って複数本一気にダクト計算を行うツールです。
換気設計を行うには、換気風量を決定した後、ダクトの径を設定する必要があります。このときダクトの径が過少であると騒音等の問題が発生し、或いは過剰であると経済的とはいえません。従って、その風量に適した径のダクトサイズを選定する必要があります。

使いかた

1. 必要な風量を決める
想定している室の必要換気風量を計算します。
2. 使うダクトを選ぶ
設計事務所ごとに、「φ125は使わない」などあるかと思います。採用する可能性のあるダクトにのみ「この中からダクトを選定」から☑を付けます。
3. 「風量[m3/h]」欄に入力
表の一番左の欄に1.で決定した風量を入力してください。
4. 計算ボタンを押す
5. 表とグラフに入力される
表とグラフに、①~⑩の計算結果が表示されます。「クリップボードにコピー」を押せば、そのままExcel等に貼り付けできます。

細かい話は一番下で↓

ダクト選定とグラフ表示

この中からダクトを選定

風量[m3/h] 計算ダクト径[mm] 選定ダクト径[mm] 圧力損失[Pa/m]

理論やら理屈やら

そもそもなぜ風量だけでダクトの径が求まるのか? ざっくり解説

 ダクトの要素には風量と径のほかに、圧力損失、風速、長さがあります。従って「ほかの要素も決まっていないのになぜダクトの径が決まるのだろうか?」という疑問も浮かぶでしょう。

 ここで上のグラフを見てみると、縦軸に風量、横軸に単位長さあたり圧力損失、そして斜めの線にダクト径と風速が示されています。これはつまり、今あげた4つの項目のうち、「2つが分かれば残り2つも決定する」ということです。そして、長さは径の決定に関係がありません。

 数式としてはこんな感じ↓

 そして、グラフ上の赤い線をご覧ください。これは「推奨風速」を示しています。例えば、細いダクトにそこまで速い気流を通すことはできませんが、ある程度ダクトの径が大きければ、多少気流速度が速くても=風量が大きくても何とかなります。このように、ある数値の風量、ダクト径に対し、推奨風速は一意に決定します。

 風量が決まれば(推奨)風速が決まるので、先述の「2つが分かれば」を満たします。これにより4つの要素すべてが決定されるというワケです。

 ダクトの大きさが決まったら、あとは長さです。単位長さあたりの圧力損失に長さをかけてあげれば、全長ぶんの圧力損失が求まります。あとはこの圧力を上回るパワー(=機外静圧)を持つ送風機に頑張ってもらいましょう。

 

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